Elizabethtown ☆☆☆☆

オーランド・ブルーム、キルスティン・ダンスト主演の切なくも悲しみを爽やかな世界に描く感動作「エリザベスタウン」を観る。

8年もの間情熱を注いできた新シューズの開発プロジェクトが失敗したデザイナーのドリュー(オーランド・ブルーム)。次々と返品されてくるシューズの山に彼一人の責任が重く圧し掛かり、社長のフィルもお手上げ状態に。6日後のビジネス雑誌には、このシューズ会社の失敗が世間に公表されることになる。

そんな大失敗をしたドリューのもとに更なる追い討ちをかけるように知らされた父の突然死。ショックで事実を受け容れられない母の代わりに父の故郷であるケンタッキー州の小さな街エリザベスタウンへと向かうドリュー。そこで出会う父方の大勢の親戚たち、そして新たな女性との出会いにより彼の心は変化していく…。

会社での損失額に驚くよりも、非難の目と失意の目が交じり合う中で主人公ドリューはいきなり父親の死と対面する。人生、踏んだり蹴ったりとはこのことかもしれない。このことを不幸という一言で片付けるのは簡単で生きる力さえ失うのも当然だろう。だが、この映画にはそれだけが描かれるわけじゃない。亡くなった父親の親戚たち、従弟たちと交わす言葉や温かい腕に自分の血が温かいことに気づく。その瞬間は笑いと涙で感動を隠し切れない自分に戸惑い、笑いながら涙がこぼれ、複雑な思いに包まれる。人生最悪の日から学ぶ自分の人生を重ね、生きる意味が"ここ"にあるんじゃないだろうかと考える。

個人的にだが、私にとっては現実味がある素晴らしい作品としてオススメである。

http://www.e-town-movie.jp/

Saw II ☆☆☆

サスペンス・スリラーとして衝撃の映像と心理状態を味あわせてくれた「ソウ-Saw-」から一年。観た人じゃなきゃ解からない謎の多くがようやく少しずつ解明されるかもしれない「ソウ 2」を観る。

前作では、訳も解からず一つの男子トイレに拉致された男ふたりが、とある連続殺人犯によって死のゲームを叩き付けられた。そのゲームに勝たなければ生きては外に出れないという究極の生と死を分けた恐怖感を感じる作品であった。まだ観てない人には一作目さえネタばらしも出来ないが、その理由は今作「2」に繋がっているからである。

前作と同様、目が覚めるとそこは普通の部屋。ただ違うのは8名もの男女が閉じ込められている。8名の男女の共通点、関係、いったい何故拉致されて来たのか。前作をはるかに超える衝撃の事実と謎解きの苦戦さに息切れ寸前になるだろう。

http://saw2.jp/

House of Wax ☆☆☆

ロバート・ゼメキスの作ったホラー専門映画制作会社 Dark Castle Entertainment の第5弾は、大人気ドラマ「24」のエリシャ・カスバートを主役にした「蝋人形の館」。

男女6人で大学のフットボール観戦に出かけようとドライブに行くことになったカーリー(エリシャ・カスバート)と親友(パリス・ヒルトン)達。だが途中で道に迷い、カーナビにさえ出てこない街へ入り込んでしまう。静かなその街にあった"蝋人形の館"にこっそりと忍び込む彼らを待ち受けていたモノとは…。

題名の通り、蝋人形がえらく不気味でリアルな出来にゾっとするが、「24」のエリシャ・カスバートとはまた違った雰囲気が見ごたえあり。お騒がせセレブのパリス・ヒルトンは演技がいまひとつと言わざるを得ないが、彼女の普段の顔とは違う一面に笑える。私自身、結局、役者はどうでもいい。とにかくホラー映画のオチってのはこういうモノというありきたりなモノで新鮮味は無いが、そのありきたりを笑えるかどうかにこの映画の面白さが詰まっている。

http://wwws.warnerbros.co.jp/houseofwax/

Domino ☆☆☆☆

実在したドミノ・ハーヴェイの半生(人生と言うべきかな…)をトニー・スコット監督によって映画化された「ドミノ」を観る。

ドミノ・ハーヴェイ(キーラ・ナイトレイ)は1969年、名優ローレンス・ハーヴェイと、ロンドンで活躍するスーパーモデルのポーリーン・ストーンとの間に生まれる。やがて、そのルックスから注目され、フォードのモデルとなり、モデルとして有望視されていた矢先、彼女は突然その仕事を辞める。偶然見つけた新聞の求人広告「バウンティ・ハンター募集」を見て、応募し採用される。まだドミノは20歳だった。バウンティ・ハンターとは聞き慣れない言葉だがある意味、賞金稼ぎってことだろうか。常に悪者をハンターしながら危険を伴なう仕事である。そんな彼女の波乱に満ちた劇的な半生をトニー・スコット監督が描き、観るものを釘付けにしてしまうスピード感で話が進んでいく様子は、まさにドミノ・ハーヴェイ自身を見ているかのようで、一瞬であっという間の出来事で映画が終わる。2005年6月末、映画の完成を前に、ドミノ・ハーヴェイは35歳という若さで亡くなっている。

http://www.domino-movie.jp/